ナショナル シアター ライブ「フランケンシュタイン」
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続きです。
ヴィクターとエリザベスの結婚式。
使用人たちが祝福の歌をうたっています。
その間をぬってエリザベスとメイドのクラリスがベッドルームに入ってきました。
ドレス姿のエリザベスは夜のための着替えをします。
とてもきれいですよ、とクラリスが言いますがエリザベスは言います。
「あの人、私の触ろうとしないの。近くにも寄ってこないし、式のあとにかろうじて話しただけだわ。」
「彼は昔から変わった方でしたよ。」
「私、何かやってしまったのかしら?」
「何もしていませんよ。男はみんな結婚式の夜はナーバスになるものです。
彼らのほとんどは何の経験もないのですから。」
「私は緊張していないわ。」
「そうですね。でもあなたはまだ何も知らないからです。最初は誰でもショックを受けるものです。」
そんなおしゃべりをしながらエリザベスの支度が整いクラリスは部屋を出ます。
ヴィクターがピストルを手に、険しい表情で部屋に来ました。
彼の後ろにいる2人の使用人もマスケット銃を持っていました。
「ヴィクター!」エリザベスが声をかけますがヴィクターは使用人に「報告しろ」と命令します。
彼らは家のまわりや湖をパトロールしていました。
彼らが異常がないことを報告すると「外で待機してくれ。私もすぐに行く。」と使用人を下がらせます。
「ヴィクター、何が起きているの?」
「安全のためにすべてのドアを守らせている。」
「なぜ?何が起きているの?教えてちょうだい。」
「もっと早く言うべきだった。」
「そうよ!」
「実験のひとつだったんだ、エリザベス、信じるのは難しいと思うし説明している時間もない、
だが、純然たる事実として言うと、私は人間を作ったんだ。」
「え?作ったって何を?」
「人間だ。そしてそいつに命を吹き込むことに成功したんだ。」
「もう一度言って。」
「人間を作ったんだ!」
「その人に命を授けたって事?」
「そうだ。私のクリーチャーに命を授けたんだ。」
「あなたのクリーチャー。」
「信じていないな。」
「あなたがクリーチャーを作ってそれに命を授けたと言うのだったらもちろん、それを信じるわ。」
そしてエリザベスは突然笑顔になり、
「それはパペットようなもの?」と言います。
「違う、ちゃんとした男だ。けだもののような男なんだ。」
「ばかげているわ。あなたは電気的なたまごのようなものでクリーチャーを作ったと言ってるの?
それで、それが何をしてるの?」
「私を追っているんだ。」
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両方ともベネ博士。
「ヴィクター、あなたはずっとひどい病気だったのよ。スコットランドであなたは神経が衰弱したの。」
「いいか、そいつは外にいて、私を滅ぼしたいと思っているんだ。
私はそいつをおびき寄せ、そいつが私を殺す前に殺さねばならない。」
「つまり、あなたはここにおびき出そうとしてるの?」
「奴がこのために来るという事はわかってた。つまり、」
「結婚式に?あなた彼に招待状を送ったの?リストにはなかったわよ、ヴィクター。」
「これは冗談なんかではないんだ、エリザベス。私を信じてほしい。」
「あなたが何らかの怪物を作ったということを?」
「そうだ。」
「なぜ?」
「今、なんて?」
「なぜ、作ったの?」
「構想があったからだ。完璧なヴィジョンが!私は自然界の後をついて行き彼女の隠れ家に入り、
彼女の秘密を奪って次第に暗くなっていく世界に突如光をもたらしたんだ。私はやったんだ!」
「私はあなたの才能を疑ったことはないわ。」
「私は死を打ち負かしたんだ。生きたものを作ったんだ。」
「だけど、そんなに生き物を作りたかったのなら、なぜ子供を作らなかったの?
そうすればもっと早く結婚できたのに。」
「いや、そうじゃない。」
「普通はそうやって命を作るのよ、ヴィクター。」
「私は科学の話をしているんだ。」
「違うわ、それはあなたのプライドだわ。私に神の領域にトライしたと話しているのなら失敗してるわ。」
「私はあなたに楽園を見つけた。だがりんごを食べてしまった。私たちはもう戻れないんだ。」
「あなたは自然の秩序に干渉したのよ。電気とガスの神様を崇拝してカオスへ導いたんだわ。
あなたが作った男性のどこがいけないの?」
ヴィクターはピストルを手に取ります。
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両方ともベネ博士。
「私は家のまわりを警備する。愚かにも作り出してしまったモノを始末したらあなたのところに戻ってくる。」
「行かないで、お願い、私を抱いて。」
「これを終わらせたら、エリザベス、あなたを愛することができるだろう。」
ヴィクターが部屋から出て行きました。
すると突然、クリーチャーがベッドの中から飛び出してきました。
驚く彼女の口を素早く手で塞ぎます。
「叫ばないで。あなたを傷つけるような事はしない。助けてほしいけだ。叫ばないでくれ。」
エリザベスが頷きます。
「俺が誰だかわかるか?」
恐怖に慄きながら再び頷きます。
「俺の見た目について何か言ってたか。」
エリザベスは頭を振ります。
「あなたは好奇心が強い?エリザベス。」
彼女はゆっくりと頷きます。
「叫ばなければあなたを解放する。」
クリーチャーはゆっくりと手を離しますが彼女はクリーチャーに背を向けたまま動きませんでした。
「振り向いて俺を見てくれ。」
彼女は振り向くと思わず息をのみます。
「助けてほしいんだ。俺は苦情がある。」
「ヴィクターがこれを・・・?」
「彼は頭がいいだろう?」
「天才だわ!」
「そう思う。」
エリザベスは興味深そうにじっと見ながら次第に近づいて行きます。
「あなた、名前は?」
「俺の名前?そんな贅沢なもの、彼はくれなかった。」
クリーチャーはそう言いながら身をかがめ「触って」と言います。
エリザベスが少し怯えると彼女の手を取って自分の頭に手をやります。
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JLMクリーチャー。
「どうだ?」
「温かいわ。」
そしてクリーチャーはエリザベスの手を自分の胸におきます。
「ここは?」
「心音だわ。」
「あなたと同じだ。」
そう言ってエリザベスの胸に手をやりにやりと笑います。
「やめなさい。今すぐに手をどけなさい。」
エリザベスはそう言ってクリーチャーの目をまっすぐに見るとクリーチャーはすぐに手をどかします。
「苦情があると言っていたわね。」
「マダム、あなたの夫は良い人だけど、彼は約束を守らなかった。
もしあなたの子供が俺のような見た目だったら子供を見捨てるか?」
「子供を見捨てる事なんてしないわ。」
「本当に?」
「ええ、本当よ。」
「どんなに不快だとしても?」
「見捨てないわ!」
「ヴィクターは俺を見捨てたんだ。俺の見た目がこんなだから。俺が普通と違うから。」
「もしヴィクターがあなたをそんなふうに扱ったのなら私が彼に話をするわ。
あなたはそうして欲しいんでしょう?」
「彼はベッドに来ないのか?」
「彼は自分のした事に責任を取らなければいけないわ。それに・・・」
「あなたを求めないのか?新婚初夜なのに?」
「・・・それに私たちはハンディのある人たちのために常に立ち上がらないといけない。」
「まったくだ。虐げられている人の声を聞いてほしい。」
「あなたの望みは何?」
「俺は生まれたいと頼んでいないが生まれた以上は生きるために戦う。
全ての命は平等で尊い。彼は俺に不足しているものをくれると約束したが彼は約束を破った。
俺は友達が欲しかっただけなのに!」
「私が友達になるわ。どうかしら?」
「あなたが?」
「もしあなたが助けを必要としているなら、私たちに何ができるか考えるわ。」
クリーチャーはベッドに座ります。
「隣りに座って。何もしないから。約束する。俺は善悪の区別を教えられた。」
エリザベスはじっとクリーチャーを見つめます。
「信じなれないわ。あなたはとても驚異的だってわかってる?」
「俺が?」
「そうよ。」
クリーチャーが手を伸ばしてエリザベスの手を取ると彼女はクリーチャーの隣に座ります。
終わりませんでした。すみません。
次で本当に終わります。

続きです。
ヴィクターとエリザベスの結婚式。
使用人たちが祝福の歌をうたっています。
その間をぬってエリザベスとメイドのクラリスがベッドルームに入ってきました。
ドレス姿のエリザベスは夜のための着替えをします。
とてもきれいですよ、とクラリスが言いますがエリザベスは言います。
「あの人、私の触ろうとしないの。近くにも寄ってこないし、式のあとにかろうじて話しただけだわ。」
「彼は昔から変わった方でしたよ。」
「私、何かやってしまったのかしら?」
「何もしていませんよ。男はみんな結婚式の夜はナーバスになるものです。
彼らのほとんどは何の経験もないのですから。」
「私は緊張していないわ。」
「そうですね。でもあなたはまだ何も知らないからです。最初は誰でもショックを受けるものです。」
そんなおしゃべりをしながらエリザベスの支度が整いクラリスは部屋を出ます。
ヴィクターがピストルを手に、険しい表情で部屋に来ました。
彼の後ろにいる2人の使用人もマスケット銃を持っていました。
「ヴィクター!」エリザベスが声をかけますがヴィクターは使用人に「報告しろ」と命令します。
彼らは家のまわりや湖をパトロールしていました。
彼らが異常がないことを報告すると「外で待機してくれ。私もすぐに行く。」と使用人を下がらせます。
「ヴィクター、何が起きているの?」
「安全のためにすべてのドアを守らせている。」
「なぜ?何が起きているの?教えてちょうだい。」
「もっと早く言うべきだった。」
「そうよ!」
「実験のひとつだったんだ、エリザベス、信じるのは難しいと思うし説明している時間もない、
だが、純然たる事実として言うと、私は人間を作ったんだ。」
「え?作ったって何を?」
「人間だ。そしてそいつに命を吹き込むことに成功したんだ。」
「もう一度言って。」
「人間を作ったんだ!」
「その人に命を授けたって事?」
「そうだ。私のクリーチャーに命を授けたんだ。」
「あなたのクリーチャー。」
「信じていないな。」
「あなたがクリーチャーを作ってそれに命を授けたと言うのだったらもちろん、それを信じるわ。」
そしてエリザベスは突然笑顔になり、
「それはパペットようなもの?」と言います。
「違う、ちゃんとした男だ。けだもののような男なんだ。」
「ばかげているわ。あなたは電気的なたまごのようなものでクリーチャーを作ったと言ってるの?
それで、それが何をしてるの?」
「私を追っているんだ。」

両方ともベネ博士。
「ヴィクター、あなたはずっとひどい病気だったのよ。スコットランドであなたは神経が衰弱したの。」
「いいか、そいつは外にいて、私を滅ぼしたいと思っているんだ。
私はそいつをおびき寄せ、そいつが私を殺す前に殺さねばならない。」
「つまり、あなたはここにおびき出そうとしてるの?」
「奴がこのために来るという事はわかってた。つまり、」
「結婚式に?あなた彼に招待状を送ったの?リストにはなかったわよ、ヴィクター。」
「これは冗談なんかではないんだ、エリザベス。私を信じてほしい。」
「あなたが何らかの怪物を作ったということを?」
「そうだ。」
「なぜ?」
「今、なんて?」
「なぜ、作ったの?」
「構想があったからだ。完璧なヴィジョンが!私は自然界の後をついて行き彼女の隠れ家に入り、
彼女の秘密を奪って次第に暗くなっていく世界に突如光をもたらしたんだ。私はやったんだ!」
「私はあなたの才能を疑ったことはないわ。」
「私は死を打ち負かしたんだ。生きたものを作ったんだ。」
「だけど、そんなに生き物を作りたかったのなら、なぜ子供を作らなかったの?
そうすればもっと早く結婚できたのに。」
「いや、そうじゃない。」
「普通はそうやって命を作るのよ、ヴィクター。」
「私は科学の話をしているんだ。」
「違うわ、それはあなたのプライドだわ。私に神の領域にトライしたと話しているのなら失敗してるわ。」
「私はあなたに楽園を見つけた。だがりんごを食べてしまった。私たちはもう戻れないんだ。」
「あなたは自然の秩序に干渉したのよ。電気とガスの神様を崇拝してカオスへ導いたんだわ。
あなたが作った男性のどこがいけないの?」
ヴィクターはピストルを手に取ります。

両方ともベネ博士。
「私は家のまわりを警備する。愚かにも作り出してしまったモノを始末したらあなたのところに戻ってくる。」
「行かないで、お願い、私を抱いて。」
「これを終わらせたら、エリザベス、あなたを愛することができるだろう。」
ヴィクターが部屋から出て行きました。
すると突然、クリーチャーがベッドの中から飛び出してきました。
驚く彼女の口を素早く手で塞ぎます。
「叫ばないで。あなたを傷つけるような事はしない。助けてほしいけだ。叫ばないでくれ。」
エリザベスが頷きます。
「俺が誰だかわかるか?」
恐怖に慄きながら再び頷きます。
「俺の見た目について何か言ってたか。」
エリザベスは頭を振ります。
「あなたは好奇心が強い?エリザベス。」
彼女はゆっくりと頷きます。
「叫ばなければあなたを解放する。」
クリーチャーはゆっくりと手を離しますが彼女はクリーチャーに背を向けたまま動きませんでした。
「振り向いて俺を見てくれ。」
彼女は振り向くと思わず息をのみます。
「助けてほしいんだ。俺は苦情がある。」
「ヴィクターがこれを・・・?」
「彼は頭がいいだろう?」
「天才だわ!」
「そう思う。」
エリザベスは興味深そうにじっと見ながら次第に近づいて行きます。
「あなた、名前は?」
「俺の名前?そんな贅沢なもの、彼はくれなかった。」
クリーチャーはそう言いながら身をかがめ「触って」と言います。
エリザベスが少し怯えると彼女の手を取って自分の頭に手をやります。

JLMクリーチャー。
「どうだ?」
「温かいわ。」
そしてクリーチャーはエリザベスの手を自分の胸におきます。
「ここは?」
「心音だわ。」
「あなたと同じだ。」
そう言ってエリザベスの胸に手をやりにやりと笑います。
「やめなさい。今すぐに手をどけなさい。」
エリザベスはそう言ってクリーチャーの目をまっすぐに見るとクリーチャーはすぐに手をどかします。
「苦情があると言っていたわね。」
「マダム、あなたの夫は良い人だけど、彼は約束を守らなかった。
もしあなたの子供が俺のような見た目だったら子供を見捨てるか?」
「子供を見捨てる事なんてしないわ。」
「本当に?」
「ええ、本当よ。」
「どんなに不快だとしても?」
「見捨てないわ!」
「ヴィクターは俺を見捨てたんだ。俺の見た目がこんなだから。俺が普通と違うから。」
「もしヴィクターがあなたをそんなふうに扱ったのなら私が彼に話をするわ。
あなたはそうして欲しいんでしょう?」
「彼はベッドに来ないのか?」
「彼は自分のした事に責任を取らなければいけないわ。それに・・・」
「あなたを求めないのか?新婚初夜なのに?」
「・・・それに私たちはハンディのある人たちのために常に立ち上がらないといけない。」
「まったくだ。虐げられている人の声を聞いてほしい。」
「あなたの望みは何?」
「俺は生まれたいと頼んでいないが生まれた以上は生きるために戦う。
全ての命は平等で尊い。彼は俺に不足しているものをくれると約束したが彼は約束を破った。
俺は友達が欲しかっただけなのに!」
「私が友達になるわ。どうかしら?」
「あなたが?」
「もしあなたが助けを必要としているなら、私たちに何ができるか考えるわ。」
クリーチャーはベッドに座ります。
「隣りに座って。何もしないから。約束する。俺は善悪の区別を教えられた。」
エリザベスはじっとクリーチャーを見つめます。
「信じなれないわ。あなたはとても驚異的だってわかってる?」
「俺が?」
「そうよ。」
クリーチャーが手を伸ばしてエリザベスの手を取ると彼女はクリーチャーの隣に座ります。
終わりませんでした。すみません。
次で本当に終わります。