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glee - Impressive Episodes #1

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ここのところボチボチとgleeの記事を書いている私。
今さらですが先日記事を書いた時にあらためていろいろ調べていくうちに
知らなかったことが結構あったりして、興味深いものがありました。

基本的には高校生が主役のありふれた話だし楽曲を楽しめなければ本当につまらないドラマなんですけど、
でもテーマによってはうっかり心に響いてしまうので侮れないのよ、このドラマ。
毎回、テーマに沿った曲を使うのもポイント高いんだと思います。

なので印象に残ったエピソードと題し、余裕のあるときにちょっとずつ書いていきたいと思います。

まずはシーズン3、エピソード14「それぞれの転機」原題は「On My Way」
テーマは「現代のイジメと自殺」
初っ端からかなり重いエピソードですみません。


デイブ・カロフスキーは元マッキンリー高校のアメフト部でいつもグリー部をイジメていました。
特にカートへの攻撃が凄まじく、これが原因でカートはダルトン校に転校します。
それでブレインと出会ったんだからある意味キューピッドですけど・・・

あるとき、カロフスキーは衝動的にカートにキスをし、自分がゲイであることを自覚します。
それで、いろいろありましたがカートは再びマッキンリーに戻り、ブレインもダルトンから転入してきています。
カロフスキーも他校に転校していますがバレンタインの日にカートと一緒にいるところを同じ高校の生徒に目撃されます。

今回はこれを踏まえたエピソードです。

発端はダルトンのリードボーカル、セバスチャンがフィンの合成写真を作り、
ネットでばらまかれたくなければ州大会を辞退しろとレイチェルを脅します。




レイチェルはテロには屈しないと強気ですが当事者のフィンはそんなレイチェルの態度に怒ります。


一方、ブレインも怒りを露わにしますが全力で州大会にのぞむべく歌を練習します。


その歌が「Cough Syrup」コフシロップ、つまり咳止めシロップです。
この歌が流れている中で事件が起こります。
カフロスキーが部室に行くとロッカーに大きく「FAG]と書かれていました。
「FAG」はアメリカのスラングで「ゲイ」の意味も持ちます。
クローゼットゲイ、つまり隠れゲイだったカロフスキーがみんなに知れてしまったことを知り、家に逃げ帰ります。
しかし既にネット上でも拡散されていてヒドイ中傷に晒されることになります。
今まで自分がしてきたことが何倍にもなって自分にかえってくる形となってしまうんですね。
そして彼が選択したのは自殺でした。


きちんとスーツを着て泣きながら部屋で首を吊ります。
軽めの曲調なので、逆にこの場面にとても怖さを感じました。


その場面だけUPしてみました。
Cough Syrup

この曲を歌っているヤング・ザ・ジャイアントもグリーのこの場面に使われたことをウェルカムとし、
自分たちが強調したかった部分だと言っています。

歌詞のオリジナルは以下になります。

Life's too short to even care at all oh
I'm losing my mind losing my mind losing control
These fishes in the sea they're staring at me oh oh
Oh oh oh oh
A wet world aches for a beat of a drum
Oh

If I could find a way to see this straight
I'd run away
To some fortune that I should have found by now
I'm waiting for this cough syrup to come down, come down

Life's too short to even care at all oh
I'm coming up now coming up now out of the blue
These zombies in the park they're looking for my heart
Oh oh oh oh
A dark world aches for a splash of the sun oh oh

If I could find a way to see this straight
I'd run away
To some fortune that I should have found by now

And so I run now to the things they said could restore me
Restore life the way it should be
I'm waiting for this cough syrup to come down

Life's too short to even care at all oh
I'm losing my mind losing my mind losing control

If I could find a way to see this straight
I'd run away
To some fortune that I should have found by now

So I run now to the things they said could restore me
Restore life the way it should be
I'm waiting for this cough syrup to come down

出だしだけざっくりと意訳。
「どんなに大切に思っても人生はあっけなく過ぎていく。
コントロールすることもできなくて心も正気も失っていく。
水の中から魚が自分を見ている。
湿った世界がドラムのビートを欲している。

現実を直視したらもう逃げるしかない。
そろそろ幸運を手に入れてもよさそうなのに。
今は咳止めシロップが効いてくるのを待っていよう。」

成功を夢見て都会から出てきたけど現実はすごく大変だったからシロップでちょっと現実逃避、
と、そんな感じの曲のようです。
咳止めシロップは使い方によってはドラッグのような効果があるので、
この場合は薬物依存になっていくような意味もあるかもしれませんが、
疲れたり傷ついたりして辛かったら一旦休んでゆっくりしようよ、ってメッセージなんだと思います。

そういえば先日、旅行会社のツアーデスクのスーパーバイザーの友人が
心が壊れる前に会社辞めるって言っていました。
ツアー客には何かあるとすぐに責任者出せって言う人が多いようで
そのたびにあちこちのホテルまわって謝りまくるようです。
自分のミスでも部下のミスでもないのにそうしなければならない時が多いとか。
世界でも有数の観光地のツアーデスクなのでホントいろいろと大変そうです。
なので心が壊れないうちに退散すると言ってました。

それもアリです。
疲れたら勇気を出して一旦休む事も大切です。

話が盛大に逸れました。
結局は未遂に終わりましたが学校側も深刻に受け止め対策をしようとします。
10代の自殺はとても影響力があります。
日本でも中学生や高校生の自殺が報道されると後を追う子どもが続出しますよね。
そういった事が繰り返されているのにマスコミは報道をやめないのがすごく腹が立ちます。

この年頃ってすごく世界も視野も狭いから、ちょっとした事で人生が終っちゃうような、そんな気持ちになるんですよね。
更に現在は一度ネットで拡散されれば回収は不可能な状況です。
中傷や攻撃も、それが匿名であっても実名であっても本人を目の前にしていないと
相手が人間であることすら忘れて言葉が悪質になります。
多分、攻撃側の人間も人間らしさを失っていくんだと思います。

自殺に関しては様々な意見があると思います。
だけど、一度は自殺を考えた事がある人は多いように思います。
原因も様々です。
人間関係や失恋、家族との確執とか挫折なんかもあります。
そして絶望とか自己嫌悪を感じ、死ぬということがとても魅力的に感じていきます。
それを乗り越えて、嬉しい事や楽しい事があるとあの時死ななくてよかったとか思いますが、
その時はもうどうしようもなくて、人生を修復するなんて不可能だとすら思うんですよ。
生きるってことはただ時間を重ねていくだけなんだけど、時にはそれがどうしようもなく辛くなる。
と、萩尾先生のポーの一族にそんなセリフがありました。

私もブログを始めてベネディクトと出会って好きな事を書いていろいろな方と出会い、
ブログを通して話もできて、ささやかではあるけど楽しみができたことに
死を選ばずに生きてきて良かったな、と思っています。

話をグリーに戻すと、
カロフスキーの1件を知ったセバスチャンは脅しを撤回し、今までの自分の行動を謝罪します。
今までずっと軽いノリで人を傷つけてきたことも反省します。
そして州大会では勝っても負けてもカロフスキーのために歌う事を約束します。


一方、シュー先生はグリー部員を集め、自分も自殺をしようとしたことがあると告白します。


「誰にでも何かしらある。だけど死んでしまっていたらここにいる誰とも出会えなかった、すべてを逃していた。
だから今日はこれから先、やりたいことや楽しみにしている事を考えてみよう。」


そして州大会が始まり、マッキンリーは「Here's To Us」を歌い優勝します。
「まわりの言葉なんか受け流そう。そしてもう少しここにいて私たちに乾杯しましょう」と、いうような歌詞でした。
個人的にはこの歌そんなに好きじゃないので詳細は省略します(失礼な)


ラストはカートがカロフスキーをお見舞いします。
「ゲイは病気だから治るはずだと母親に言われた」と絶望するカロフスキーにカートが、
楽しくて幸せな未来が待ってると言います。


自分がイジメられる側になってようやく他人の痛みがわかったカロフスキー。
本当の意味で自分を救ってくれる友達を見つけ、これから少しずつ立ち直っていくんだと思います。
その時こそ、今度は自分が他人を助ける番になるんですね。
痛みがわかると人は他人にもやさしくなれますし。

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